ボクがキミをスキな理由【短編集】
俺の一世一代の勇気は
アンナにとっては
きっと取るに足らないほどの、
くだらない出来事。
24歳のアンナに
15歳の俺
どう考えたって踏んできた場数が違う
悔しいかなあの頃の俺は
恋愛を覚えたてのただのガキで
アンナは数々の恋愛を
くぐりぬけてきた
恋愛上級者。
――くそ~。悔しい!!
「赤外線でいいよね?
レオ、近くにかざしてくれる??」
こんな時にさえ
俺は一切リードを取れない。
アンナのリードに任せるままに
赤外線でプロフィールの交換をすると
「これで、いつでも連絡できるな!」
精一杯強がって
俺はアンナに向かってニッコリ微笑む。
するとアンナは
「うん、レオが私に会いたくなったらいつでも電話してきてイイよ。」
余裕な笑顔で更に俺を誘惑してくる。
「う、ぐっ!!」
「なぁに??そのつもりで私のアドレス聞いたんじゃないの??」
「そ、そんなことあらへん!!」
「あら、そうなの??
ざーんねん。
若い男の子とレンアイしてみるのもいいかなと思ったのに。」
「え、ホンマか!?」
「ふふっ、ウ・ソ♪」
くそ……
コイツ完全に俺をオモチャにしとるやろ…。