汝、風を斬れ
第十一章  対面


 激しく床に打ち付けられる、その衝撃で目が覚めた。セントはその場に立って辺りを見回す。

 煙が立ちこめている。
 豪華絢爛な装飾。大理石の床に敷かれた、長い絨毯の先にある椅子。王座。前回は結界に阻まれたが、ここがおそらく結界の内側、謁見の間だ。結界の向こう側で何人もの常駐兵が、剣を振りかざした格好のまま、像のように動かないでいる。
 親父はどこだ。再び周りを見る。

 ドサ、と鈍い音がした。
「ごめんなさい、ジン! 大丈夫!?」
 キュアはジンをクッション代わりにしてそこに落ちた。
「キュア……」
「……セント」

 思わず駆け寄ってしまう。きっと、出会った時から自分の中に芽生えていた。知らぬ間に膨らんで、離れた時に気付いたこの思い。
 しかし、歴史は歴史。運命の糸は、もう解けないくらいに絡まってしまっていた。
 セントはキュアの頬に手を伸ばした。小さな顔はセントの手の平にすっぽりと収まり、柔らかい。
「俺は……!」

 ある気配を察し、セントはキュアを押し倒した。
 セントの背中を掠めて刀が落ちてきた。
 刀身に刻まれた細密な紋様。セントは目を見開いた。
 これは。親父の刀だ。
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