君を抱きしめるから~光、たずさえて~


 大きく肩を抱かれた。


 どちらかというと一緒に飼われてる犬と猫みたいだ。


ボクは肩に回された手の甲をつねってやるが、のりおは手を引かない。


 どこで覚えた?


 こいつは落ちる、と粘り強く迫ってくる。
 

 ……こいつマジやばいって。


 玄関から入ると、応接室からなっちゃんが小さく手招きをした。



「ねえちょっと……マジ? 二人とも」


 と言う具合に。



「少なくとも熱烈な関係ではないからね!」


 もう、なっちゃん、ひとの話、まじめに聞いてるの? ボクはのりおの手をしばく。



「まあ、仲良くやろうや、相棒」
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