君を抱きしめるから~光、たずさえて~
よくは聞き取れなかったけれど、ボクはなっちゃんの言うことなら百メートル先からでもわかる。
いや……妄想だ。事実そうありたいという、ボク特有の……
甘い物を摂取してパワーが増してたボクは一気に駆け上った。
「なに、ニマニマしてるの?」
不審げな彼女に取り戻されたティーレックスを見せ、
「任務、完了ッス! 先輩!」
思わず体育系のノリ。
なにそれ、って冷たく笑われたので、心の中でだけ祝杯をあげる。
またひとり、ぐびり、とやる。意外と苦しい道のりだった。
「誰のために遅刻しそうになってると思ってるの?」