甘い瞳に囚われて。




先程みたいに甘々な雰囲気を出すゼジル、






そして、小悪魔的な雰囲気を出すゼジル。



実際、小悪魔以上に次期魔王になるお方だけど…。












『はぁ…』



私は、とんでもないヤツに捕まってしまったのかもしれない。



あんなんじゃ、人間界に戻るまでに心臓がもたないのではないだろうか?




のっそのっそと重い足を動かし、角を曲がると…



スタスタと先に行ったはずのゼジルが壁に寄り掛かって立っていた。



「遅い、行くぞ」



そして、マントをなびかせつつ颯爽と歩きだした。



待っていてくれた?


つくづく、読めない…ヤツの頭の中。



前を歩く広い背中を見つめつつ、私は再び足を進めた。



この時、まだ私は知らない。



この極上な美貌を持つ男の存在が、私の人生を変えるなんて。



まだ、私の魔界生活物語は始まったばかりだ。





< 104 / 105 >

この作品をシェア

pagetop