~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
『俺は、王が楽しみにしていたスカラベの競技を邪魔した罪で、竜王の逆鱗に触れて、自ら変身して免れたのだが』
運悪く王の側近の呪いで、虫けらのようにされて、角(つの)の大きいスカラベとの力比べで負け、放逐されたのだ。
王にも力なきものはいらん、とされて。
その上側近に、踏みつけにされるまでその痛みを理解されず、愛されもせず死にゆく運命だ、と明言されてしまったのだという。
力ある者の言葉はそれだけに毒がある。重みが違う。
クリスチーネは無気力になった。
側近は
「もし、おまえが虫けらの気持ちになって改心すれば自ずと呪いは解けるであろう」
と条件付きで彼女を一人では到底逃れることの叶わない、生存の難関地である地獄の渦中へ投じたのである。