~天に背いて~<~天に送る風~第二部>


 と、さっそく不愉快な予言を始めた。


「そして、アレキサンドラ」


「ボクのことは大丈夫。全部お母さんがしてくれたから」


「そう……いい目をしているわ。きっと、神様の幸運が救ってくだすったのね」


「お母さん……」


「それで、王子は竜殺しの罰を帳消しにしたいと仰るのですね?」


 王子は固く口を結んで肯定した。


「そのために冥府まで赴くつもりだ。ご協力願いたい」


「ああ、王子。しばらく見ないうちにご立派になられて。不肖リリアが、できうる限りのことをさせていただきたく存じます」
< 38 / 118 >

この作品をシェア

pagetop