…だって好きだから
<修一>


君からの突然の電話吃驚しすぎて直ぐに出れなかった


「明日デートして」

平然を装っているようだったが君の声は微かに震えていた


「大嫌い」と言われ
年甲斐もなく落ち込んでいた俺にとって
君からの電話は予想外だった


「…はぁー…解った」


溜め息は安堵から出たもの…呆れたからじゃない


嬉しさを悟られないように会話した


何時もの俺なら君からの誘いなんてきっと笑って聞き流してただろうな


でも今はそんな余裕ねぇな


「はっ…何だよ思春期か俺は」


携帯を持つ手が震えていた


そんな自分に思わず笑ってしまった


兎に角明日だ…君と向きあう最後のチャンスもしれない


伝えよう俺の本心を愛しい君に…
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