~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>
第十八章 約束
 魔道は続いた。

 クリスチーネが命がけで開いた道。唯一真実への道。


「だが、窓が多すぎる」

 いつしか魔道は大きな螺旋を描く暗闇の地へと至った。

 その扉の奥に、一人の乙女がいた。

 彼女は見つめていた。

 吹き抜けとなった螺旋をよそに、一本の棒を昇る亡者達を。

 アレキサンドラは焦った。

 自分もその内に螺旋の底にある暗闇を恐れ、光目指してその棒を昇り始めるのではないかと思った。

 亡者達のように、彼らを足蹴にして自分だけ天に届かんとして。それだけ暗闇は恐ろしげに迫ってきていたし、微かに注ぐ天上の光は優しく見えた。
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