彼氏はドクター

「何話してんの?」

私たちが話してると、彼方が来た。


「何にも…。ただ色々話してただけ。ねぇ亜美?」

「うん。」

彼方は納得していないようだった。

「ふーん。奏。手出して」

私は彼方に手を差し出した。



彼方は私の脈を計った。

「大丈夫だな。ちょっとごめんよ。」


キャッ。ビックリした。
いきなり彼方の耳が私の胸に…。
私の胸の音を聞いているんだ。


「緊張しすぎ。大丈夫だよ。俺がいるから、安心しろ」

彼方は私の頭をくしゃくしゃに撫でてから、自分の席に戻った。


「まもなく、出発します。お客様はシートベルトをしっかりとしめて下さい。」

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