“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
そして、軽く息を吐き出して、
あたしのお兄ちゃんと話す凌と綾香に視線を向けた。


いーな。
何話してるんだろう。


嫌な感情がぐるぐる渦を巻いて。

知らず知らずのうちに、ギュッと唇をかみ締めていて。

そんな自分に気づいたとき、
心底情けなくて、
あたしはもう一度ため息をついた。



やっぱり
自分の気持ちに嘘つきたくないよぉ。

やっぱり
凌が好きだよぉ。

やっぱり
諦めるなんてできないよぉ。

やっぱり
“おさななじみ”だけじゃ嫌だよぉ。
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