“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
「佐藤さんが英語の辞書貸してほしいって。
誰か、貸してやれよ」


ランランと光る目で、
こっちを見つめるオスの群れに声をかけると、


「うおーーー!!!」


地響きのような雄たけびと、
一斉に机の中・ロッカーなどを探す、
ドタバタうるさい音が教室に響く。


その中で。



「え・・・と。
あの。
そうじゃなくて。
あたし。
北村くんに・・・」



佐藤さんのか細い声が、
オレの耳に届いた。
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