月の兎 ~ 十五夜の恋
「月の兎は
あたしにとっては
幸せの象徴なんです
どんなに辛く苦しい時でも
満月の空を見上げると
月の兎があたしを見守ってくれている
あたしが餓えないように
まだまだ生きていけるように
じっと見守ってくれているんです」
「なるほどなぁ~
そりゃ心強いな」
千尋さんはボサボサの髪を揺らして笑った
でもそれは
あたしの話を馬鹿にするとか
そういうのじゃなくて
とっても温かい笑いだったんだ