月の兎 ~ 十五夜の恋




そんなあたしを横目でみながら

千尋さんが呟きました




「ボクも今年で三十です


子供の一人や二人いても

おかしくない歳回りですよ



ねぇ?」



「へ?」



嬉しそうに笑うその顔を見て

あたしはうろたえます



「なになに?」


「キミはわかりやすいなぁ」



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