~天へ送る風~
するとマグヌスはまばゆいものを見たかのように視線をそらした。
「今、私が口外するわけにはゆかないのです。どうか、お許しあれ、姫君」
「ボクは姫じゃない!」
そのときコロロと、小石がアレキサンドラの足下に転がってきた。
彼女はそれにつまづいて転んでしまったが、その小石を拾い上げると、駆けてきた少女の掌に握らせてやった。
「ありがとうおねえちゃん」
少女が見上げる、その頬に滴が滴った。
「おねえちゃん、泣いてるの? 痛かった? かなしいの? くるしいの?」
少女はアレキサンドラの膝に取りすがって泣いた。もらい泣きだ。
「平気だ。心配してくれてありがとう。でもこんなことで泣いちゃうなんて、弱虫だったね。がんばらなきゃ」
すると、幼女はこちらには思いよりもしないことを言った。