~天へ送る風~
「残念、ざんねん。二人ともまだ酒は無理だ」
「あっ、失念してました。確かに仰るとおりです」
「飲むのが泉の水ならあのマグヌスも許してはくれまいかな」
「は、はいっ。そうだといいです……ボクも、そのとき御側にいてもよろしいですか?」
ぱっと顔を背けて王子は言った。多少まごつきながらも、耳まで真っ赤にして、
「よろしいもなにも、この国の恩人だからな」
「それだけですか?」
「そ、それだけって……多分」
アレキサンドラはいまいち王子の気持ちがつかめず小首を傾げる。
少しの間、沈黙が続いた。