森のクマ野郎

どっちもバカ

やっとご主人様の着替えが終わり、なんともいえない状況になる。


「…………」

「………」


彼はすぐにソファに座って本を読みはじめた。
そして私はどうしていいものかわからず未だに自分の部屋のドアの前から動かずに立ち尽くしていれ。

座っていいものかもわからないし、何より今のこのご主人様が完全にメイド放置の場合っていうのは何をしていればいいのかわからない。


だからって声をかけたらかけたで"メイドの分際でこの俺様に話しかけるんじゃねぇ!"なーんて言いそうだし。

あの短気でバカな性悪男のことだしそんなことを言うのはありえないこともないはず…!

………うーん
でもそこまでベタに言葉を発しないよねあいつも。



「あの~…」
「メイドの分際でこの俺様に話しかけるんじゃねぇ!」

はっは~
想像通りすぎ~
何こいつ、
「わかった、あんたはバカだ」

「あぁ゛?てめぇ今度こそ殺されたいか?」

「心から申し訳なく思っております!」


くっそー!
自分のバカバカバカ!

勝手に口滑んじゃないよ!



私は土下座までして彼に謝ってやった。何やってんだ私…


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