超イケメン☆ホストクラブ
――駅からタクシーを拾い、運転手に場所を告げると、銀河はシートに深くもたれかかった。

「……ねぇ、お店ってどこにあるのよ?」

彼が運転手に話したのはよく聞き取れなかったこともあって、そうたずねると、

銀河は私の方を向いて、「ないしょ」と、いたずらっぽく唇に指をあてた。

「……ないしょとか、そういうの嫌いなんだけど……」

ちょっとイラついて言うと、

「そんなには遠くないけど。それより、おまえもっと笑ってた方がいいぜ? 今も眉間にしわ寄ってたし」

と、言われた。

「大きなお世話だから。それに、私はおまえじゃないって、言ったでしょ」

「ごめん。理沙」

あっさりと謝られると、つっかかった自分の方が悪い気がした。
< 20 / 125 >

この作品をシェア

pagetop