超イケメン☆ホストクラブ
「昔の俺って、何よそれ…」

「ああ、ちょっと思い出したっつうか……」

いつも自信に満ちあふれてるようにも見える銀河が、珍しく翳りのある表情をのぞかせた。

「……昔の話、聞かせてよ?」

この男にそんな顔をさせるような過去が、どんなものだったのかが知りたかった。

「なんでだよ? それに、話したって、なんもおもしろくねぇから」

あからさまに話をかわそうとする銀河に、押し黙る。

無言で前を行く後ろ姿を眺めながら、思う。

彼を知りたい気もちに嘘はなかった。自分の気もちに嘘をつくことで、今までは本心を偽ってごまかしてもきていた。

だけど、いつもなら飲み込んでしまう本心を、さっき銀河に言われたこともあって伝えることを選んだ。
< 67 / 125 >

この作品をシェア

pagetop