CREAMSODA
首都高
− 23:00首都高環状線 竹橋ジャンクション −

紗耶は友達の家で泊まりの勉強会だとウソを付き、家を出てきた。

規律の厳しい家だったが、勉強会ならしかたがないという事で外出できた。

綾美もまた同じようなウソを付いて出てきたらしい。

「いいか、危ないから窓から顔を出すんじゃねーぞ。」

伸二の注意など、上の空で二人は経験した事がない出来事に、ワクワクしていた。
紗耶と綾美は、ビデオ撮影係りだ。

00:00きっかりに裕也はやってきた。
自慢のHONDA CBX-400F改造
エンジンはチューンしてあり、モリワキの集合管
から出る排気音は低音でずっしり重く、これから始まる伝説の走りを物語っているようだった。


伸二達は車で先回りをして、撮影ポイントに車を停める。

裕也はゆっくり走り始めた、周りにはまだ車が多くしばらく流すように。

そして1時間位経過した時に一台の飛ばしている車が、裕也のバイクにパッシングをした。

バトルの始まりだ!

車は真っ赤なポルシェターボ。
相手にとって不足はない。

ポルシェは裕也を抜き去り時速220キロで最初のカーブへ飛び込む。
裕也は後ろにぴったり付き、ハングオンスタイルでカーブを火花を散らしながら、飛び込んでいく。

紗耶がさけんだ!

「裕也さんが来た!綾美、ちゃんと撮影してるッ」

「してるわよ!」

「今日の裕也さん気合い入っているよ!」

そう伸二が喋っている横を二台は駆け抜けていった!

「すごーい!」

綾美が声をあげているとき、紗耶は今までバイクや暴走族とかは軽蔑していたが、裕也の走りを見て『綺麗な走り』と心の中でそう思っていた。

「一周してここに戻って来た時には、裕也さんあのポルシェをぶっちぎっているよ」

戻ってくるまで伸二がバイクの事やレースの事を紗耶達に得意げに解説していた。

十数分後には、裕也が一台で戻ってきた。

「裕也さん、ポルシェはどうしたの?」

伸二がそう聞くと

「俺が抜いたあと、事故ったよ!ガードレールの餌食さ」

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