エージェント
さっきの本城源との親子ゲンカとはまた違う、こっちはお互い嫌悪感ありまくりだ。
「で、その子は?」
「学校の子。親父が連れてこいってずっと言ってたから」
「源さんが?」
少し驚いたような顔をするけれど、すぐに元どおりになる。
切り替えが早いな。
「こんな小娘に騙されてないでしょうね」
「へいへい」
「本城の名に、宝の名に傷をつけるのだけはやめなさい。あの子の今までの苦労を水に流すようなことがあれば、貴方を勘当することだって頼めるんですからね」
「わかってるっつーの!だから、俺、この組とは関わってねぇじゃん!」
「…わかってれば、よろしいのよ」
この二人の関係はかなり最悪なものだろう。
周りにいた組員がこちらの様子を伺っている。