エージェント
「ーーー銀さん、光希さんは、復讐に来たんすよ」
後ろからセーヤの声がする。
わたしが発砲した時声が聞こえたなと思ったけど、やはり帰ってなかったか…。
振り向いてセーヤを睨むと、両手を上げて降参のポーズをとる。
「光希さんが私情で動くんなら、俺も私情で動きます」
「……勝手にしろ」
どうせ言っても聞かないんだろう。
「ミツ、セーヤも、お前らいい加減にしいや。お前らまた謹慎でええんやな?」
「いいよ。そのかわり復讐だけはさせて」
「それがアホなんや。復讐は望んでないって何べんも言われてるやろ」
「ーーそれでも、無理なんだよ」
あの人の笑顔がわたしにとっては大切で、
そんな笑顔を一度でも恐怖と悲しみに染めたこの女を、許すわけにはいかない。