エージェント
わたしもここで小さい時は遊んでたなと思い出す。
古びてはいるけれど公園のように遊具もあるし、ベンチなどの休憩スペースだってある。
遊具は未散がもう少し大きくなって遊ぶ時期が来たら、全部新しいのに変えると組長が言っていた。
「未散…最近また大きくなった?」
「きゃははっ」
未散を抱きかかえてきたから、腕が疲れる。
本当に最近大きくなってきてるから、わたしも鍛え直さないと確実に腰を痛めそうだ。
「ママっ」
「いいよ、遊んでおいで」
未散を地面に下ろすと、パタパタと動き回る。
もうそろそろしたら、走れそうだな…。
我が子の成長をみると、人間の神秘を見ているようだ。
この子の人生、何がきっかけで、何が起こるかわからない。