エージェント





本邸の大広間に行くと、組長と、宮前、そして銀がいた。


そこにわたしと、朔羅とで座る。





「本城の次男坊、ようここまできてくれたな」



話を切り出したのは組長ではなくて宮前。
組長はただジッと、朔羅を見つめていた。




「ええ。まあ、大変だったですけど、なんとかなると思います」

「ほんまにやりおった。銀坊でも、あんたんとこの若頭でも出来ひんことを、ほんまにな」



ーーーなんの話だろう。


そう思って銀の方を向くと、すこしハブてるような、そっぽ向いてた。

アラサーなのに、そんなことしても可愛くなし…。





「それで、約束は守っていただけますか?」



ーーー約束?



わたしばかりがわからずに、朔羅と組長を見る。





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