エージェント
朔羅は子供を手懐けるのが上手いのか、初対面なのに未散は朔羅に抱かれて満足げな表情をしている。
父親の温もりがわかるらしい。
「ところで早く戻んねぇとって、あいつが睨んでるんだけど」
「あいつ?」
朔羅が後方を指差す。
そこにはセーヤの姿があった。
ブスッとした表情。
お前の今日の用事って、朔羅のことだったの?
「セーヤ」
「光希さん、組長がお呼びなってます」
「うん。未散、お願いできる?」
「はい。希子さんのところにいるっす」
「助かる」
セーヤは朔羅から未散を引き渡されると、母さんの部屋のある方に向かっていく。
組長からの呼び出し。
きっと朔羅がここにいる理由がわかるんだろう。
どうなるんだろう。