エージェント
「まあ、それは確かにな。で、情報は?」
『いま、スマホにデータ送ってますっ』
「ほかになんかある?」
『ーー本城朔羅は、俺らと同じで高校生や族の間ではかなり噂になってる奴です。
これは本当に噂の中の噂なんすけど、本城朔羅の実力はたぶん若頭より上って言われてます…。
気をつけてください…』
「そう…」
セーヤからの電話を切り、送られてきているデータを確認する。
残念なことに、わたしはセキュリティ部門には詳しくなく、ハッキング技術もない。
基本的には組の諜報機関がやってくれてるので、わたしが変に探るよりも確実な情報が届けられる。
どちらかというと潜入捜査の方が得意分野。
データ上では取れない情報は、わたしが潜入して情報を得てくる。
ジッとしているよりも、現場に出ている方が暴れられるので楽なのだ。