エージェント




「なんかあったの?」

「あ、コウキちゃん。いやー、三年生にもなると、進路進路ってうるさいよね」

「あぁ、進路」

「アズは昼からだろ?先生達わりとしつこいぞ」

「あたしなんてしつこすぎて、椅子蹴り飛ばしちゃった」

「…………」


学生としてどうなのかと思うけど、この学校じゃ仕方ないのか。
わたしのちゃんとした学生時代の学友達はちゃんと進路と向き合ってたよ。

比べるのは間違ってるだろうけど。



「朔羅は先生に呼ばれないの?」

「サクは家も家だし、あんまり強く先生が言えないからね。しかもああ見えてかなり頭はいいんだよね。だからサクがもし大学ってなったとしても、ここら辺の大学なら余裕じゃない?」

「サクラと楽太郎、あんた達どこで間違ったんだろね…」

「同じ授業受けてたはずなんだけどな…」


< 86 / 297 >

この作品をシェア

pagetop