エージェント




正直に言えば、仕事で体の関係は作れても演じきっていたので、本気で感じたりすることなんてなく、
自分リードでもあった。


だけど今は違う。


意図せずに与えられた刺激のみに反応してしまう。


彼の指が身体の中で暴れだすと、今まで感じたことのない感覚に襲われる。



「さくっ…らっ…」

「気持ちよくしてあげるから」


一気に突かれると、生理的な涙が浮かぶ。

卑猥な音がこの部屋を占め、いやでも入ってくる音に耳を塞ぎたくなる。


「ああっ、」

「なに。ここが気持ちいいの」

「やめっ、」


わたしの弱いところを見つけると、そこを激しく攻めてくる。


ーーーこのドS野郎


少なからず初めてじゃないってわかった瞬間から、手加減なんて一切ない。





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