放課後sugary time
淡い期待と裏切りと
テスト前でも無いのに寝不足だ。
結局あれ以来満足に眠ることなんて出来ないまま数日が過ぎている。
睡眠不足でぼやけた頭は回転が鈍く、気力は毎日の授業で使い果たしてしまっていた。
考えないように考えないようにって思う程、一瞬間わたしの中を巡った存在を思い出してしまう。
見慣れたはずのウチの高校の制服に、威千都に似た後ろ姿を廊下で探してしまう自分にイラつく。
忘れようって思う意志と裏腹に威千都を求める意思。
理由はわかってた。
……わたしに好かれたいと言った威千都の顔が忘れられないからだ。
平凡な自分が他人から求められる心地良さ。
やっぱり威千都はわたしの欲しがってる言葉をくれる。
流されるままに生きてきた中でずっと胸の奥に秘めてた気持ち。
それは有川 愛衣という人間を認めて欲しいって願望だった。
だからわたしは威千都を求めてしまう。
威千都は生まれて初めてわたしを求めてくれた人だったから。