放課後sugary time
威千都も仕事も住む所も全てを取り上げられた後。
威千都の父親の圧力で教師の仕事には戻れなかった。
元々気に入っていた仕事でもないから悲しくはなかったけど……わたしが威千都を好きになってしまった罪の重さは嫌でも伝わってきた。
だから今は、知り合いも居ない町に引っ越して、小学生向けの塾でお手伝い程度の仕事をしている。
ここでも相変わらず職場と家の往復しかしてないわたしを、
「良い人居ないの? お見合いくらいしてみたら?」
実家の母親は心配して何度となく電話をかけてくるけど……まだ頷く気になれなかった。