Double Persondlity
「…朱里…聞け…俺はお前が思っているような奴じゃない。現に俺はこうなっちまったわけだし。少しは分かって……いた事だけどやっぱ痛いのはヤダな。仕方ないけど俺はその内この世から消える」



「もういいよ。変な事言わないであたしは夜月くんが居なくなるなんて絶対に嫌だからね」



「お前は他の女とは違った。いい奴だ…今までで最高な女だ。憎む事しか出来なかったこの俺に何か変えるものを…お前は…くれた。俺…お前が…好きだったのかも…しれないな……」



そう言い切った夜月は
ゆっくり目を閉じて
朱里の声にも反応しなく
黙ったままになり
時間はどんどん過ぎてゆく。



それから救急車が到着したのは
七分後の事だった。
< 306 / 389 >

この作品をシェア

pagetop