Double Persondlity
病室に着き、ノックをしてから
小林と朱里は中に入った。



目が覚めている名田だけど
起き上がってはいなく
窓の外をただ見ているとこに
小林が声を掛けて側に寄る。



「おい。名田、やっと起きたのか中々起きないから心配したぜ」



「……こ…小林?何でここに」



「それはこっちの台詞よ。何でお前こそ病院に居るんだ?」



聞かれた名田は考え出し
難しい顔をしたが
何も思い出せないのが事実。



「解らない。記憶が無くて何も思い出せないんだ。何でオレここに居るんだろう」



その時、
朱里が小林の肩を軽く叩いた。



「何?」



「あの…」



「ああ。ごめん……名田?」



「え?」



「紹介するよ。彼女は杉原朱里さん、知ってるよな?」



「小林の彼女…だっけ?」



「何冗談言ってんだよ。違う、オレはもう結婚してる」



「じゃあ…」


「覚えてないのか?彼女、救急車を呼んで、お前に付き添って来てくれたんだよ」



「そうだったんだ…ありがとう。杉原さん」



「いえ…元気になって嬉しいですえっと…それじゃ、あたし…そろそろ帰らなきゃいけないので失礼します」



「うん。気をつけて…」



名田は分からなかったが
小林は見抜いていた。



朱里は涙目になっていて涙が出るのを我慢していたように思えた。


「名田、オレもそろそろ帰るわ。もう面会時間終わってるし、また改めて来るから」



「ああ。今日はありがとう」
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