私と先生の365




はぁッとため息と共に、高木先生の額が、私の右肩にのる。


先生の髪が頬をくすぐる。


ドキドキと音を立てる心臓に、気付かれそうで、更にドキドキする。


高木先生:「…ったく!…スキだらけなんだよ、吉崎は。」


「っ、へ?」


ダメ、頭が回らない。
ドキドキしすぎて、もたない。


「あ、あの…ち、近、い…ひっ…。」


必死で、絞り出した言葉も、先生の手がそっと背中に触れるだけで反応してしまう。


ドキドキして、恥ずかしくて、離れたい。

…けど、先生に触れたい。もっと近付きたい。


でも…怖い。


ギュッと目をつぶって、先生のシャツをキュッと握る。


高木先生:「…!吉崎?」


ハッと目を開くと、目の前に高木先生の顔が。


お互いの鼻がくっつきそうなくらい近くて思わず、目線を外す。


高木先生:「…悪い…。俺が嫌か?」


「っ!?」


先生の意外な言葉に思わず顔を上げ首を横に振る。


嫌いじゃない…。

好き

って言いたい。


でも、怖くて言えない。


高木先生:「吉崎と初めて会った時も、そうだったよな。覚えてるか?」



高木先生と、初めて会った時…。
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