私と先生の365
入学式、少し遅れて学校に着いた。初めての1年生の教室が分からなくて、私…不安で怖くて…。
"先生"が大嫌いだった私の前に、高木先生が現れて、優しく教えてくれた。
「…入学式の日ですか?」
高木先生:「…覚えてたのか。」
いや、高木先生の方こそ、覚えてくれてたの?
「………嫌いでした。"先生"が、嫌でした。」
真っ直ぐで優しい高木先生は、中学の時のあの先生と似てたから。
それに、あの頃の私の"先生"はどの先生も皆同じだと思ってたから。
高木先生:「そう、か。」
「でも…今は、嫌いじゃないです。…"先生"でも人それぞれいるんだって分かった。」
高木先生:「教師に対して、嫌な思い出があったんだな?」
コクンと頷き高木先生の体にギュッと引っ付く。
高木先生の体温は、安心する。
私の嫌なこと、不安も全て先生の笑顔が吹き飛ばしてくれる。
高木先生の存在が、いつの間にか私の支えだった。
「…私、情けないです。…こんな小さな過去引きずって、高木先生に比べたら、情けなさすぎて…。」
高木先生は、もっと辛い過去を知ってるのに。