『月の唄』
なんだ夢か・・・なんかすごく素敵な夢だったな。
素敵な男性と手をつないで・・・あんまりおぼえてないけど、かっこよかった。
なんだろう・・・胸が苦しい。
もしかして夢の男性に恋をしちゃったのかな?
だって私の胸に何か乗っかってるみたい!
夢の男性に恋をしたなんて素敵!・・・でもまた詩織に怒られちゃうかな?妄想爆走女って・・・ふふっ。
でも本当に私の胸に何か乗っかってるみたいなんだもん・・・!!
「美月・・・大丈夫?」
うん・・・私平気だよ!・・・へっ?
私はフラフラする頭を起こして胸の辺りを覗きこんでみる。
すると!!!!!!!!!
カエルが私の胸の上にチョコンと乗っかっている。
私は再び血の気を失い、二度目の昇天を迎えるのだった・・・。
薄れゆく意識の中、声が聞こえる・・・
『ミヅキ・・・ネテ・・・ナク・・・ハ・・・サガシ・・イコ・・・・・・ツキノウタ』
 
ツキノウタ!?
 
私は意識を一瞬で取り戻し、ガバッと起き上がる。
カエルは驚いたように私の胸から床に飛び降りる。
「今あなた『月の唄』って言った?」
 
カエルは動かずただニヤッと笑っているだけだった。
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