『月の唄』
私は怒りを抑えながら、もう一度質問する。
「じゃあ、あなたは『月の唄』がどこにあるか知ってるの?」
カエルはさらにもう一度瞬きをして、答える。
「知らないよ。」
えぇーっ!
「じゃあどこに探しに行くの?」
カエルは先程動揺瞬きをして、答える。
「外だよ。音の聞こえる方に進むんだ!」
・・・ほんとカエルの言っている意味はわかんない。
「音って?どんな音?あなたには聞こえてるの?」
カエルは今度は瞬きをせずに答える。
「音は外に出ないと聞こえないんだ。さぁ行こうよ美月!」
カエルはまた私に飛び付こうとした!!!
「ちょ、ちょっと待って待って!」
慌ててカエルを止める!カエルは不思議そうに、首を傾げる。
「今また私に飛び付こうとしたでしょ?」
カエルは少し困った顔をした。
「ダメなの?」
ダメダメダメダメダメーッ!
私は声に出さなかったが、思いっきり顔に出ていたようだ。
カエルは悲しそうな顔をして、私に言った・・・
「僕の事嫌いになっちゃったの?」
嫌いになったも、くそもない!今日初めて会ったし、カエルは昔から苦手だし・・・
でもそんな顔しないで・・・私はなんだか少し可愛そうに思えた。
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