ハルオレ☆ -前篇-
「………ぇ…!!」
それは一瞬の出来事だった。
彼方が突然、観奈の腕を引っ張り自分の胸に引き寄せてそのまま観奈の唇を奪ったのだ。
重なった唇を前に俺と観奈は驚きのあまり瞳を見開いた。
な!…ななな…
俺は、突然の事態に言葉を選ぶこともできず声を失った。
「んっ…ッ…」
観奈が我に返り抵抗しようとしているが、彼方は容赦なくそのまま深く奥へとキスを続け、唇を離すことはなかった。
そして、あろうことか彼方は開いている手で、観奈の腰から上の服をめくり触りだした。
俺はその瞬間、心臓がドキッと痛くなって我に返った。
ぬあ━━(゚Д゚;)━━!!!
かっかかか、彼方さん!!
な!何してんですか━━Σ(´Д` )━━!!!
ててて、てか俺!どど、どーすればいいんだよぉぉ!!
俺が動揺してパニックになっている中、彼方の手が観奈の胸に伸びたその時。
「なっ!何すんのよぉ!」
観奈が必死で彼方から唇を離して叫んだ。
そして観奈はすばやく右手を振り上げて彼方を殴ろうとしたが、彼方は観奈の手を顔スレスレの所で受け止めた。