ハルオレ☆ -前篇-
「彼方。さすがにお前、病院に行ったほうがいいんじゃないのか?」
ヤマト兄が心配そうに声を掛けるが、彼方は小さく首を横に振る。
「大丈夫です。」
「大丈夫じゃないだろ!?」
「本当に大丈夫ですから。」
ヤマト兄の言葉をまったく受け入れない彼方に、ヤマト兄は『フゥ』とため息を落とし、
「……相変わらず、病院嫌いは治っていないんだな。」
と、言いながら、彼方の頭を撫でた。
「じゃあ、とりあえず今晩は様子を見るか…。…だけど明日熱が下がらなかったら俺が病院に連れて行くからな。」
力強くヤマト兄がそう言うと、彼方は『わかりました。』と頷いた。
「昔から我慢強いというか…、少しは遥みたいに他人に甘えるって事も覚えないとな。」
そう言ってヤマト兄が俺に視線を送る。
「ヤ、ヤマト兄。俺を甘えん坊みたいに言わないでよ。」
「みたいじゃなくて、甘えん坊だろ?」
「はぁ?何それ!!」
俺がムカッとして声を張り上げると、ヤマト兄が口元に人差し指を置き『しー』っと促した。
「こら。病人の前で大きな声を出すなよ。」
俺は反射的に『あ、ごめん』と謝るが、すぐに納得いかないことに気づき、頬を膨らます。