ハルオレ☆ -前篇-
「…うー、誰のせいで大声出したと思ってるんだよ。」
「ははは。まぁ、いいじゃないか。」
「はぁ…。それ全然よくない。」
俺が呆れてそっぽを向くと、隣にいるヤマト兄が急に立ち上がった。
「よし、じゃあ。俺は彼方の食べれそうなものでも作ってくるか。」
「うん。わかった。」
「それに氷枕も必要だし、ついでに取りに行ってくるよ。」
ヤマト兄は彼方の顔を見て、ニコッと笑った。
「じゃあ、遥。しばらく彼方のこと頼むぞ。」
「うん。わかったよ。」
俺が頷くと、ヤマト兄は部屋を出て行こうと俺達に背中を向けた。と、その時…。
「あ、早瀬先生。」
彼方がヤマト兄のことを呼び止めた。
「ん?どうした?」
ヤマト兄は振り返ると、再び笑顔を見せた。
「…あ、あの……あったらでいいんで、ハチミツ入りで。」
「…わかったよ。他に食べたいものあるか?」
その言葉に彼方は小さく首を振った。
「了解。じゃあ、ちょっとの間待っていろよ。」
ヤマト兄はなんだかしみじみと思うものがあるように微笑みながら、部屋の出入り口へと向かった。