愛しい人へ
「あたし・・・聞きたいこといっぱいある。
なんなの??
幸せになれよってなんなの??」
「・・・・・」
「ねーってば!」
「俺はお前を傷つけたんだ。
あいつの言うとおり、俺はお前に会わせる顔なんかない」
陸は歩き出した。
あたしの手を強く振りほどいた。
「待って!待って!」
あたしの叫び声にもう振り向かなかった。
黒いパーカーは
あまりにもかっこよくて・・・
ずいぶんと大人になった陸・・・。
あたしの押さえ込んでいた感情が
ジワジワと音を立てて蘇ってきた。