ディア フレンド
続く∞迷路(ループ)
はぁ・・誕生日から5日が立つ。
来週には中総体が控えてる。
授業も早めに終わり今、アップの真っ最中。
魅海との接触を機に妖怪【スポク】の
発生率が急上昇する。
ここ3日連続で妖怪【スポク】を
封印したのだ。

妖怪【スポク】退治は霊力と体力を
かなり使うのでキツイ。
ましてや、一昨日は徹夜。
こんな調子じゃぁ、身体が持たない。


「はいっ。」


パシッ。「・・・はいっ。」

淡々とバトンパスが続く。
ふらふらしてきた・・
必死に体勢を立て直す。

「はい。」

アタシは手を出す。
するっ・・カラン、カランカラン。
バトンがアタシの手をすり抜け、
地面に落ちる。

「あっ・・ゴメン。」

アタシは後ろに戻り、バトンを拾う。
みんなは先に行ってしまった。
3メートルくらい離れてしまった。
アタシはダッシュして落ち着こうとする。

アタシは足元が見えなくなる。
一瞬、身体が宙に浮く。
次の瞬間。バタンっ。

砂利道に躓いて転ぶ。
手に力を入れる。
でも、上手く入らない。
ヤバ・・立てないかも・・

「大丈夫?」

アタシの目の前に手を差し伸べられる。
アタシは必死に手を伸ばし、手を掴む。
その人はアタシをゆっくり起こしてくれた。
一応、立つことが出来た。
その人はバスケ部、來夢ちゃんだ。
確か隣のクラスの・・・

「大丈夫? 膝と肘・・血が出てる。」


ふと膝に視線をやる。
血がドクドクと溢れていた。
まぁ、掠り傷程度。
絆創膏取ってこないと・・

「大丈夫。掠り傷だよ。
悪いんだけど、海來たちに会ったら
絆創膏貼ってるから遅れるって
伝えてくれないかな?」


「いいよ。自己管理ちゃんとしないと
ダメだよ? 
杏南ちゃんは選手なんだから。」


「ありがとう。じゃあ。」


アタシはダッシュで部室に向かう。
意外と走れるな・・

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