ディア フレンド
「しゃあねえだろ? 微熱なんだから。」


「はぁい。今日はじゃあトゥラムってこと?」

「基礎を学ぶならトゥラムが1番いい。でも杏南の好きな子でいいわ。」


「アタシはトゥラムがいいな。ついでに学校の勉強も教えて貰うんだ♪」

有李栖は驚いたように目を丸くする。
でも、すぐにいつもの笑顔に戻る。そんなに不思議かな・・・


「じゃあ部屋でゆっくり修行していいわ。夕飯はわたしが作るから。」


「ありがと。渉も今日一日傍にいてくれて・・その。ありがとね・・」


なんかお礼を言うのが照れ臭くなった。
だから、少し目を逸らしながらお礼を言う。
あんまり渉にお礼言うこともないからな。
渉はああ、と少し照れたように目を逸らす。
そしてアタシは自分の部屋に向かう。トゥラムと修行は久しぶりだな。

無意識にアタシはスキップまじりに廊下を進む。
ガチャ、自分の部屋に入りトゥラムを呼ぶ。

「錦秋の三女トゥラム、ここに。」


「トゥラム。今日は基礎をお勉強する。」

「大丈夫なのですか!? 熱を上げられたとかで・・」


「大丈夫、心配してたの?」


「当たり前じゃないですか・・・主様が病気なんて泣きそうですもの・・」


トゥラムは急に涙目になる。こんなに心配してたんだ・・
アタシはトゥラムをギュウっと抱き締める。
ちょっと嬉しかったのだ。不謹慎かもしれないがみんなこんな風に心配してくれて・・


「ごめんねぇ!!アタシ大丈夫だから、」

「杏南様、あの・・くすぐったいですよ//」


「ゴメン。じゃあ勉強しようか。」

アタシは机に座り、ノートを広げトゥラム先生の個別授業を開始して貰う。
大嫌いな勉強もトゥラムが教えてくれるならなんか理解できるのだ。

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