ディア フレンド
わたしは緩む涙腺を押さえつつ、杏南の部屋に行く。
500年の長い年月。いろんな結末があった。

去年の一件以来、わたしはラストの年みんなが幸せになる結末にしたい。

でも、波留華のこと以来、力が急激に落ちていた。

わたしの信じる力が弱まっているのだ。

それもそう。だってみんなが死ぬという、今までの中で1番最悪な結末。

わたしは努力した。見える結末を何とか変えようとした。

でも、わたしの力が及ばず最悪な結末(バットエンド)になった。

わたしや5姉妹も涙が枯れるまで泣き、中々立ち直れなかった。




波留華に妹がいるなんて今年になるまで知らなかった。

その妹は信じられないくらい波留華と似ている。

だから、もう一度リベンジをすることにした。

杏南は波留華と似ているけれど圧倒的に違うのだ。

そう、運命に動じない強い勇気。わたしにも5姉妹にも波留華にも
なかった物。もしかしたら、変えられるのかもしれない。


わたしは少しの希望を胸に杏南の部屋の前に立つ。
軽く1回深呼吸をする。そして、扉を開ける。

ガチャ。


杏南side


勉強をしていると急に扉が開く、アタシは少し警戒する。
トゥラムも少しびっくりしているようだ。

扉が開く。そこにはいつもとは違う強い眼差しの有李栖が立っている。
格好は何故か巫女の衣装。もしかして修行出来る!?


「有李栖? どうしたの?」


「妖怪【スポク】が来るのです。病み上がりなのですが・・」

「大丈夫!アタシは人を守る使命を預かってんだ。
風邪なんかに屈しないよ☆」

杏南の眼差しは鋭い。この子はどんな運命にも負けない【何か】を
纏(まと)っているのかもしれない。
杏南となら掴めるかもしれない・・・



「では行きましょう。今日はトゥラムと、練習はしてないけれど
いつもの感じを忘れなかったら出来る。」

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