お姫様の秘密



3組が騒がしかった…

うん、それだけだった。



「あっ、椿谷君!」

「成弥君と同じクラス~」

「よろしくねーっ」



原因の一つは、成弥。



「…めんどい」



ぼそっと呟く彼は、どうやらクラスの女の子に魅力を感じていない。


良かった…


なんて、ほっとしたのもつかの間…


騒がしい原因の二つめを知ることになる。



「…成弥?」



3組の教室から顔を出したのは…

学校で初めて見た顔で…

でも、決して知らないわけのない顔だった。



「…………玲奈」



……え?


目の前の人物を見て、唖然とする私達の中で、成弥はゆっくり口を開いた。

成弥に名前を呼ばれた人物は、ニコッと笑った。



「相変わらず、変わってないね?」



…何で…?

何が起こってるの…?



私は、話についていけず、その場に立つのが精一杯だった。



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