君の影をみてる〜幼なじみの恋〜

オレンジ色の日々

バスケ部女子の、引退試合なる夏の大会は、

勝ち進んだ2戦目で、優勝候補と対戦し、
それでも接戦の末、最後13点の差をつけられて、
悔しくも敗退。

ベンチで見守っていた私には、
皆の目に光る涙が、やりきった感で輝いて見えた。



地区予選を通過して、
7月中に、各大会に出場していた恭一は、

先へ進めば進むほど、敵も手強く…

“上には上がいる”ことを、実感しながらも、
多くを体験し学ぶことができて、
これからの目標にもなったと言っていた。



陸上部の練習は、総体に向け、夏休み中も続いた。

私なんかとは、
取り組み方が違う恭一と、
朝は別々でも、帰りは一緒に帰ることができた。


今年の夏は、お互い休みが一緒なので、

陸上部で遊園地へ遊びに行けたし、

それぞれ、別で遊んでいても、
海や祭りで見かければ合流した。


恭一の家で宿題したり、
二人で会える時間もあった。


恭一の部屋のごみ箱には、
いつのものか分からない、
封の切られていない手紙が捨てられていた。

(本当だったんだ)と、

嬉しい反面、
やはり、少し気にかかる私は、

自分からせがんでキスをした。

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