君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
陸上部に、遅れてやってきた、このエースは
普通よりも少なかった活躍の場の分を
今、中学校生活、最後のこの大会で、
余す事無く、力を発揮するしかなかった。


そして、大会当日。


メンタル面でも、
自分で自分を追い込んだ恭一は、
プレッシャーにも負けることなく、

100走では、準優勝を獲った。

1位との差も、本当に際どく、

映像で、何度もチェックしたうえでの結果だった。


さぞ、悔しかったであろうはずの本人の口からは、

「誰が見ても、1位だって走りが、出来なかったってことだよ」と

気持ちはリレーに切り替えていた。


とはいえ、このレースのタイムは、
大会新記録に値する速さだったのだが、
追い風のため、更新はされなかった。

互いに、1位を狙って、全力で競っていた証だ。


800走を免れた私だったが、
100走は予選落ち。


残すリレーは、
予選のうちから、他校のミスが目立ち、
よって、運良く、波乱の決勝進出となった。


これには、学校全体で盛り上がりをみせた。


一人一人が速くても、
チームのコンディションやバトンミスに転倒と…

思いもよらぬ結果が生じ、
その技量も含んで競う、
それもリレーの醍醐味なのだ。


恭一を含む、男子4継の予選は、
順位もタイムも、確実に通過を果たした。
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