君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
背格好は、恭一の方が、スラッとしていたし、

顔だって、
“りん”とした恭一の顔立ちに比べて、
つぶらな瞳の慶太は
顔に似合わず、肩幅なんか、ガッチリとしていて…

しいて言うなら、
陽に焼けた、肌の色が似てるくらいかな?


「似てない、似てない!全然違う!」

自分に言い聞かせるよう、声に出して言った。


(あの男め、あんなこと言うもんだから…あれ!なんか、あたし…気になってる?…ナイナイ!絶対にナイから!)


完全否定には、理由があった。


とても悪い気がして、仕方がなかったのだ。

(誰に?)

その時私は、隆志への罪悪感を確信していた。


恭一の死後、私と隆志の距離は縮まっていた。

とは言っても
私が勝手に、女友達と居るようなつもりで、隆志の優しさに甘え、
あぐらをかいていると言った方が正解で、

面倒臭いことを言ってもこない隆志のそばは
これまた居心地がよくて
ついつい、頼ってしまうのだった。

それに、他の男を寄せつけない、絶好の言い訳でもあった。


でも恭一は、隆志のことを
一番ライバル視していたワケで…

だから、男として意識しないようにしているのだが

私的には、恋愛への進展の心配はなかったし、

隆志にしても、同じ気持ちだと確信も持てる。


それなのに、
慶太が現れ、たった1週間で、
私の心は、困惑しているのだ。
< 166 / 202 >

この作品をシェア

pagetop