君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
「ここで?」

キョロキョロと辺りを見渡した恭一は

「公園行こうぜ。」と、

私の手をとり歩き出した。

公園のベンチに荷物を置くと、
まるで子供のように、プレゼントを開けはじめる恭一を、
私は微笑ましく見とどけた。

「あ、手袋だ。」

「手編みじゃないけど」

「何も言ってないけど」

「バスケと違って、手は使わないし、外は寒いでしょ?」

「先輩もやってる。」

「でしょ!きょーちゃん、普段手袋なんてしないから、悩んだんだけどさ!」

「ありがとう。」

「とりあえず、あたしもオ・ソ・ロ!」

「…」

「で、冬だけじゃナンだから、夏でもと思って、タオルもね。」

「ああー。」

「もし、手袋しなくても、タオルは使うでしょ?」

「使うよ!両方使う。」

「あは。良かった〜!」

「…」

「じゃあ、そろそろ帰らないと。うち、お母さん張り切って待ってると思うからさぁ。」

「想像がつくよ。」

「でしょ!きょーちゃんのとこは?」

「うちは、いつもと同じだよ。かーちゃんと二人で飯食うくらいかな。」

「お兄ちゃんは?」

「来ねーだろ。女と一緒に居んじゃねー?」

「そっかー。」

「未知、あんがとな…クリスマス気分なんて、久しぶりだよ。」

「そうなの?」
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