君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
コートを羽織る頃には、
街はクリスマス準備で賑わいはじめていた。

バスケ部でクリスマス会の話がでると、

「また、あたし達を利用しようって魂胆だ。」と、

奈央の、新井文句がはじまった。

このふたり、バスケの時は抜群のコンビプレーを魅せるのに、

結局、敵対するほど、
考えることや性格、
そして、好みのタイプも似ているって事なのだろう。


「みっちゃんは北村との予定は大丈夫?」

「(そんな、大きな声で言うなって!)大丈夫!向こうも部活だから。大会近くてさ、」

「そうなんだ〜。さすが詳しいね!」

(て言うか、まだ子供のあたし達が、クリスマスに何があるワケもないし!皆、ドラマの観すぎだよ)

とはいえ、ふたりがつきあいはじめてから、
初めてのクリスマス。

私は時間をつくって、
プレゼントを買いに行った。


そして、イヴの部活の帰り道、

送ってくれた玄関先で、
やっと、渡すタイミングができた。

「はい、これ。クリスマスプレゼント。」

「え。…ありがとう。」

「うん。」

「一日中、持ち歩いてたのか?」

「あはは、どうせ今になるんなら、家に置いといても同じだったね。」

「…ごめん、俺、何も用意」

「そんなのいいの!だって…想像できな〜い。きょーちゃんが…お店で…」

「うるせ!」

「あはは。」

「見ていい?」
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