花恋
動き

僕は、自分が何をしているのか。

自分でも、わからなかった。

ただ、一つだけ。

分かる気がする。

そう、

『結衣』を探していること。

「結衣っ!」

見つからないとわかっていても、

動く僕の、体。

「結衣~っ!」

結衣を、見つけたい。

そして、抱きしめたい。

「結衣.....?」

「ぇ....。利久くん?」

「結衣っ」

僕は、自分の勢いを止められずに

結衣を抱きしめた。

結衣がいたのは、僕に教えてくれた

あの、野原だった。

「あの.....、利久くん?」

「会いたかった.....」

僕の行動に慌てている、結衣がいた。

「....こなぃでぇ」

「え」

「こなぃでよぉ!」

結衣は、僕の腕を振り払い

僕に怒鳴りつけた。

「何でっ?....何で来るのさぁ」

すると、結衣の眼からは、

大量の大粒の涙が出てきた。

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